ジャンベ の皮の張り替え手順
ジャンベの皮は大事に使っても数年のうちには張り替えが必要になります。JUNJUNで張り替えを承っておりますが、自分で張ったジャンベには格別の愛着が湧くものです。
皮張りの手順は人によって色々で、以下の方法の他にもやり方があるかと思いますが、
できるだけ特別な道具を使わずに効率的な方法の一例という事で、ご自分で張り替えをしてみようという方のご参考までに紹介いたします。
皮をはずず
- リングと胴に合い印をつけて、また同じ向きに付けられるようにします。
- ひもの編み方、通し方をよく見て覚えてからゆるめます。
- もしひもが傷んでいたら交換します。ひもを交換しない場合は縦ひもを全部外す必要はありません。全体に緩めて、皮を外すために1/3周ほど縦ひもを抜いて空けておきます。
- 十分にひもを緩めたら、皮と皮に巻かれたリングを外して横へ抜きます。このリングにも印を付けて
おきます。
- 縦ひもを全部外す必要はないとは書きましたが、お急ぎでなければ、皮の交換の機会にひもを全部はずしてボディの汚れをとり、ニス等の皮膜塗装のかけられていないボディでしたらオイルなどで磨いておく事をおすすめいたします。
- 2本のリングを重ねて上と横から見て、ぴったりと重ならない場合はゆがみを修正しておきます。
皮を水に浸ける
- 十分な大きさの容器で、皮が完全に水につかるようにします。皮が柔らかくなるまで浸けておきます。少なくとも、薄いなめし皮で数十分、厚い皮で数時間。もっと長く、丸一日、丸二日、という方も。
皮を張る
- 縦ひもは緩く通しておきます。横から皮とリングを入れられるよう、一部あけておきます。
- 皮を胴にかぶせます。
- 皮と上部リングの間に、外しておいたリングを横から入れます。
- 横から入れたリングを皮で包むようにして、そこへ上のリングを重ねます。
- 皮とリングが密着して、リング同士の間に隙間がないようにします。そのため縦紐を全て通して、
テンションをかけながら皮の形を整えます。
- 皮の縁を引っ張ってたるみやしわを伸ばしながら、リングの高さを決めます。上のリングが打面より若干下がった位が適当です。最終的にチューニングするとさらに少しリングが下がりますので、希望の高さよりも若干高めにしておきます。この段階で打面にある程度の張りが、ボーンと低音・ポンと中音が出る位は必要です。緩いと後でチューニングが決まらず、張り過ぎると破れてしまいます。
- リング同士が上から見てずれていないか、またリングと胴との隙間が一定か(特に輪が大きめの場合)、打面に対してリングが傾いていないか確認します。ボディ下部のリングも平らにしておきたいですが、最初は難しいかもしれません。傾いたとしても後でも修正する事はできます。
乾燥
- 皮が完全に乾くまで待ちます。打面の部分だけでなく、リングにまきこまれた内側まで乾かす事が重要です。
- 薄いなめし皮で乾燥した季節で一日、厚い皮で一週間位、置いておきます。完全に乾かないうちに強く締めると、皮が部分的に伸びて音程がすぐに下がり、やがて破れます。
- 急ぐ場合はエアコンやドライヤーなどを使う方法もありますが、乾燥むらが出やすいので注意しましょう。
毛を落とす
- 毛皮の場合、打面の毛を落とします。張る前でもいいのですが、張った後の方が安全です。
- ハサミやバリカンでおおまか刈込みます。乾燥の途中でもかまいません。
- ここからは打面がよく乾いた後の方がいいです。サンドペーパーで残った毛をこすり落とします。皮まで削らないように気をつけて、100番台の粗目で始めて、200-400番位で仕上げます。
- 実は普通は両刃カミソリやナイフで剃るのですが、慣れないと皮に傷をつける心配があります。トライする方はよく切れる刃で慎重に。
- 皮の縁を切ります。始めての方はもしかするとやり直す可能性もありますので、ある程度次の段階のチューニングができてから切ってもよいかと思います。
縦ひもを締める
- 皮が完全に乾いたら、テンションをかけていきます。ボディ下部のリングが傾いている場合は、少しひもを緩めて修正します。できれば修正しなくていいように平らになっていればベストです。
- 縦ひもを順に引っ張っていきます。慣れない方は一度に強く引かずに、少しづつ、2周または3周して少しづつ強く締めるとうまくいくかなと思います。最後の一周は、50-60cm位の棒をひもにからめて、てこの要領で、ねじるように引くとより力がかかります。写真中で使っているようなバイスがあると作業が楽ですが、ひもを傷めやすいのでやすりで口の角を落とすなど工夫をして下さい。
- 常に上下リングの傾きに気をつけて下さい。後になるほど修正が難しくなります。
- テンションをかけた後しばらくは皮やひもに伸びが出ますので、ハイテンションを保ちたい方は1〜2日後にさらに縦ひもを締めると良いです。
- 縦ひもを締めるのは皮張りの中で一番力の要る作業です。この段階でできる限り強く張っておくと後の使い勝手がよくなりますので、妥協せずに力をふりしぼって下さい。
横ひもを締める
- できる限り縦ひもを強く締めた後、もっと張りたい場合はひもを横に編んでさらに締めていきます。
納得のいく仕上がりにできるまでには何度もの経験が必要です。初めはそれなりに音が鳴れば可、と思いましょう。確実に良い音にしたい方は、どうぞJUNJUNへご依頼下さい。